河原に落ちていた日記帳

趣味や日々の暮らしについて、淡々と綴っていくだけのブログです。

【日記】何事も食わず嫌いはよろしくないと思ったことについて。

 たまには特に脈絡のない駄文でも書いてみましょ。

 何を書くのか最初にざっくりまとめると、「最近アニメ観始めたけどけっこうおもろいやん」と言いたいだけの記事です。

 

 

 アニメが日本における一つの「文化」として、徐々に世間に認知されてきたように思える今日この頃ですが、わたくし昔はアニメというものに対して謎の嫌悪感を持っていました。

 ここで言う「アニメ」とは、いわゆる「深夜アニメ」と呼ばれるようなものを指します。小・中学生当時の自分にとっては、それらのアニメには胸が大きくてやたらとスカートの短い女性キャラがわんさかと出てくる、非常に破廉恥なコンテンツだという認識でしかなかったのです。

 この認識自体は今でもあながち間違ってはいないと思っていますが、思春期真っ盛りの私はそれらに抑えきれない興味を掻き立てられながらも、それを見ることにえも言われぬ罪悪感・忌避感を覚えてしまう、非常に複雑な感情を抱いていたのです。

 なので、当時私が抵抗なく観れていたアニメと言えば、サザエさんスタジオジブリ作品くらいだったかと思います。

「深夜アニメ」に対する忌避感は後々まで尾を引き、つい最近まであまりアニメに触れることがなかったのですが、今年初めてネットの動画配信サービスに登録したことを切っ掛けに、ちょくちょくアニメ作品を観始めるようになりました。

 で、思ったわけです。

 アニメって面白いやん、と。

 正直なところ、女性の性的な部分を強調したアニメは未だに苦手意識があります。わたし個人は人並みにスケベなので、お色気路線に振り切った作品ならかえって清々しく観れたりしますが。

 しかしアニメの魅力というのは、そうした性的な部分だけでは全くない、というのが最近やっと気付けたことです。

 そもそも一言で「アニメ」と言っても色々な作品があるわけで、それら一つひとつに異なる魅力があるわけですから、探せば私の琴線に触れる作品があるというのも当然というものです。別段エロくないアニメもたくさんありますし。

 それを踏まえた上で、性的な格好をした女性キャラもまた多いという点については……まぁ多少のアクセントみたいなものかと。

 少なくともお色気だけがアニメの魅力なんてことはありませんし、そんな作品ばかりなら既にアニメなんて衰退しているでしょう。そもそも色気を前面に出すのは、アニメに限った話ではありませんからね。

 今までただ「アニメ=HENTAI」という図式を頭に描いていた私ですが、そもそもアニメのそうした一面しか見ていなかったと考えるに至ったのです。考えてみれば当然のことではあるのですが、このことに気付くのにえらく時間がかかってしまったような気がします。

 例えば実際に観て感銘を受けた作品としては、2007年放送の『電脳コイル』があります。ネット技術が高度に発達し、「電脳メガネ」などのウェアラブル端末が日常に溶け込んだ近未来が舞台のSFアニメです。

 SFではありますが、作品を取り巻く風景はどこにでもありそうな日本の地方都市。誰もが見たことのありそうな風景に、「電脳」により形作られた仮想現実が重なり、現実世界と仮想世界の区別がどんどん曖昧になっていく、独特の世界観が織り成されていきます。

 電脳世界に潜む不気味な謎や主人公たちの人間模様が複雑に絡み合いながら、それらが最終的に一つに繋がっていき、鑑賞後には爽やかな余韻に浸れるオススメの作品です。

 

 現実と仮想世界の曖昧さを描いた作品という関連では、1998年放送の『serial experiments lain』というアニメも面白かったです。

 ネット端末「NAVI」が普及した世界が舞台。主人公の女子中学生が、自殺したはずの同級生からメールが届いたことをきっかけにNAVIに興味を持ち、それから様々な事件に巻き込まれていく…

 という粗筋ではありますが、正直とても一言では表しようのないストーリーが展開されていきます。

 アニメは全体的に色彩感覚が独特で、実験的な映像表現が多く用いられています。登場人物の会話や表情の表現なども異様な空気感を醸し出しており、観ているとクラクラするようなドラッグ的感覚に陥っていきます。

 ストーリー自体も、哲学的思考や宗教的思想、またオカルト的な言説が散りばめられた、一言で言えば「難解」なものであり、非常に人を選ぶアニメであることは確かです。

 1998年という、ネットが世間に普及しつつある空気感が反映された作品であり、色々な意味で「この時代だからこそ作れた」と言えるアニメだと思います。

 放送から20年以上経った今でも語り継がれるのもよく分かる、正に「カルトアニメ」です。

 

 最近の作品では、今年の冬アニメ『ケムリクサ』が非常に面白かったです。

 人のいない荒廃した世界で生きる三姉妹が、命を繋ぐための水を求めて旅をする…という話。

 世界観に関する説明が非常に少なく、視聴者は主人公たちの会話や背景の景色などを手掛かりに、謎多き世界について推測していくことになります。

 そうして丁寧に積み上げられた謎や伏線の数々を、最終盤にて一気に解き明かしていく怒濤の展開を経て、最後にストーリー全体を貫く一つの結論へと至るという、最高に爽快かつ解放感溢れる作品です。

 一見暗く陰鬱なアニメのように見えますが、登場人物たちの独特なキャラ立ちなどにより、明るくはないが暗すぎもしない、非常に不思議なバランスの空気感が作品全体を覆っています。「暗そう」という印象で視聴を敬遠している人がもしいたら、そこら辺はあまり心配ないと思うので、是非ともオススメしたいです。

 

 ニコニコ動画の登場と同時期に世に出たアニメの中に『ひぐらしのなく頃に』がありますが、Amazonプライムで第2期まで配信していたので、試しに観てみました。

 とある鄙びた山村「雛見沢村」で起こる連続怪死事件、それに関連して起こる猟奇事件、それらの真相を解き明かしていくサスペンスアニメ。元々は同人のゲーム作品ですが、今ではちょっと追いきれないくらいに様々なメディアミックス展開がなされるまでに急成長を遂げた作品です。

 私はアニメ版を視聴しただけですが、これが一世を風靡したのも分かる気がします。

 日常場面で出てくる「萌え」的な描写に「うわキツ」と思いながらも、そこから急に緊張感溢れるサスペンス展開に叩きつけられる感覚は、確かに癖になるものがあります。

 事件の真相や結末などに関しては、贔屓目に見てもかなり無理があるので賛否両論になるのは仕方のないところですが、登場人物全員が力を合わせて惨劇の回避を目指すという展開にはかなり燃えました。「ミステリー」や「ホラー」という先入観を無くして観れば、楽しめる作品だと思います。

 

 その他にも、主人公とヒロインの関係性に無限の尊さを感じられる『からかい上手の高木さん』や、ヴァンパイアやサキュバスなどのファンタジー要素を「人間の生まれつきの特性」という新たな解釈で描いた『亜人ちゃんは語りたい』など、魅力的なアニメ作品はたくさん存在します。

 何事も食わず嫌いせず探してみれば、きっと自分にとって「好き」と思える作品は見つかるもの。

「好き」を見つけることよりも、「嫌い」を見つけることの方が簡単な世の中だからこそ、自分にとっての「好き」を探し、増やしていきたく思います。