河原に落ちていた日記帳

趣味や日々の暮らしについて、淡々と綴っていくだけのブログです。

沼田茂『世界の怪獣』(1969年、大陸書房)についての覚書き

沼田茂『世界の怪獣』

『世界の怪獣』という本があります。

いくつか同名の本があるのでややこしいですが、ここで扱うのは1969年に大陸書房から刊行された、沼田茂著『世界の怪獣』という本です。

内容はネッシーや雪男、シーサーペント(大海蛇)など、世界中の未確認動物を紹介するいわゆるUMA本です。と言っても当時まだ「UMA」という言葉はなく、同じ対象を指す言葉としては「怪獣」が一般的だった時代でした。

同書ではどういった「怪獣」が扱われているのか、とりあえず目次を引用してみましょう。

〇実在する恐竜一族
・ネス湖の怪獣は現われるか?
・知られざる世界の淡水怪獣
・マンモスは生きている!
・アフリカの怪獣チペクウェ
・マダガスカルの恐竜の骨
・ニューギニアの幻の古代象
・アラスカに出没する光る巨獣
・恐竜の墓場──ゴビを往く

〇海に棲む怪獣
・TVカメラがとらえた怪物
・タスマニア島の謎の肉塊
・オーストラリア海の化物
・潜水隊員が仕止めた魚竜
・世界の海の怪獣目撃者

〇ヒマラヤの雪男
・ヒマラヤの謎『イエティ』
・雪男と格闘したノルウェー人
・〝世界の屋根〟に棲む雪男
・雪男は実在するか?

〇人か? 魔獣か?
・人類の祖先はサルじゃない!
・ニューギニアの水かき人種
・アフリカに出没する豹人

〇生きている化石動物
・ガラパゴスの原始爬虫類
・化石動物の宝庫を探る
・アマゾン奥地の奇魚奇獣
・コモド・ドラゴンと死闘する

概ね、これが当時における未確認動物の話題のスタンダードだったと捉えてよいでしょう。まだ日本産の未確認動物が社会的に広くは知られていなかった──もしくはネッシーや雪男のような存在が、日本にもいるという認識が薄かったためか、取り上げられているのは全て海外の事例です。

当時は未確認動物のみで本を作るにはネタが足りなかったのか、終盤はガラパゴス諸島の動物たちやコモドオオトカゲなどを「実在する怪獣」として扱っています。

さてこの『世界の怪獣』、未確認動物ファンの中では一応知られた本だとは思いますが、深く突っ込んで調べられたことは案外ないんじゃないかと思います。正直言って私にとっても印象の薄い一冊でした。

ただ最近になって色々と判明した事実があり、実は意外と掘り起こし甲斐のある本なんじゃないかと思い直すようになりました。本稿では、沼田『世界の怪獣』について分かったこと(それに伴って増えた謎)をまとめてみようと思います。

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忍者研究関連書籍の個人的ブックガイド

 お久しぶりです。

 最近、何となく忍者研究関連の本を読み漁っていることは前回の記事で述べた通りですが、せっかくなので自分用のメモも兼ねて、個人的におススメの忍者本を色々紹介する記事を書いてみました。

 現実と虚構が入り混じってイメージされる「忍者」なるものについて、詳しく知ってみたいという人の参考になればと思います。なおこれ以降は、私自身が書きやすいという理由で文章を常体に変えることにします。

(ちなみに「忍者」という名称が定着するのは二次大戦以降のことで、歴史的には「忍び」という名が主に使われていましたが、面倒くさいので本稿では全部「忍者」に統一します)

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忍者が信仰していた(?)謎の宗教「道廼明理(みちのあかり)」とは何か

 最近、何となく忍者関係の本をよく読んでいます。

 忍者についての学術研究が本格的に始まったのはごく最近で、2010年代のことです。それは三重大学教授の山田雄司氏(歴史学)が、大学の方針により忍者の歴史学的研究に着手したことをきっかけとします。かつての私にとって、山田雄司先生とは「怪異・怨霊研究の人」という認識だったのですが、いつの間にか「忍者学の人」になっておられて少々驚いたことがあります。

 それ以降山田氏は、『忍者の歴史』(2016年)などで実証的忍者史研究に先鞭をつけ、2017年からは三重大学で国際忍者研究センターが設立され、学際的な忍者研究の試みが行われています。同センターによる最近の成果としては、『忍者学大全』(2023年)という大部の論文集が刊行されています。

 そうした忍者学の流れの中で刊行された本の一つに、川上仁一著『忍者の掟』(2016年、角川新書)があります。川上仁一氏(1949~)は6歳の頃に、甲賀流忍術の継承者であった石田正蔵なる老人から忍術の手ほどきを受け、現在は甲賀流伴党21代目宗家として伊賀流忍者博物館名誉館長などを勤めておられます。

『忍者の掟』は、川上氏が実際に伝授された忍術の詳細などを一冊にまとめたもので、戦後のある時期まで伝えられていた忍術の様相を窺い知れるという点で、興味深い本になっています。川上氏は先代の石田老人から、忍術書など多数の古文書類も受け継いだとのことで、そうした資料の類も同書で複数紹介されています。

 

 さて、同書を読んでいて私が気になったのが、忍者が持っていた信仰についての記述です。同書では忍者の信仰として2つが挙げられているのですが、一つが飯縄権現への信仰と、もう一つが「道廼明理(みちのあかり)」なる聞き慣れない宗教の名前です。

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【雑記】山本素石がツチノコと遭遇したのは何年のことなのか

 あけました。今年もよろしくお願いします。

 昨年最後の投稿では『お化け研究 上方』という同人誌に参加したことを報告しましたが、今回は拙稿において詳しく書けなかった話題を補足的に解説する記事となります。

 そのため、本記事は拙稿「ネス湖から来る波─『逃げろツチノコ』前夜のこと」を読んだ人か、あるいは「ツチノコ」や「山本素石」といったワードについてある程度把握している人向けの記事になるため、あらかじめご留意ください。

 さて今回話題とするのは、「山本素石ツチノコと遭遇したのは何年のことなのか?」という問題についてです。

 素石によるツチノコ捜索記『逃げろツチノコ(1973年、二見書房)によると、彼は1959年の8月下旬にツチノコと遭遇したと書いています。しかし、素石が最初にツチノコとの出会いについて明かした1962年発表の随筆を見ると、なぜか遭遇した時期の記述に2年ものズレがあるのです。

 この問題については拙稿の脚注にてなるべく簡潔にまとめたので、それを以下に引用しておきます。

 素石のツチノコ遭遇談の時期について、実は彼自身による文章の中で矛盾が生じている。『逃げろツチノコ』の記述によると、素石は文脈上1959年8月下旬にツチノコと遭遇したことになっており、同書の初出記事では「昭和三十四年八月二十四日」(山本素石「実録・渓流秘話1 槌ノ子探検記」:p138)と日付まで特定している。
 だが、素石が初めてツチノコを紹介した随筆によると、事件があったのは「昨年の八月下旬のこと」(山本素石「釣の夜ばなし(其五)」:p87)、つまり1961年ということになる。後述の坂井久光や斐太猪之介も、素石の体験談を61年としている(坂井久光「槌の子蛇」、斐太猪之介『山がたり 謎の動物たち』)。どちらの記述がより事実に近いかは断言しかねるが、本稿では61年説を採用している。

(月海月「ネス湖から来る波」『お化け研究 上方』:p61)

 今回は以上の注釈としてまとめたことを、より詳細に解説していきます。

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『お化け研究 上方』という妖怪同人誌に参加しました。

 気付けばもう年末にして、今年二回目の更新です。このブログの存在意義とは。

 自分の中でも存在感が薄くなりつつある当ブログですが、今回はとあるお知らせをしたく更新することにいたしました。

 なんと今回、『お化け研究 上方 大阪妖怪特集号』という、妖怪アンソロ同人誌に参加してしまいました。

 

 主催は、世界有数のクダン研究家である笹方政紀さん。つい最近は『予言獣大図鑑』という大作の共著の一人として名前を連ねている方です。

 

 本書は副題の通り、大阪の妖怪に特化した同人論集となっております。

 全体のお品書きは以下の通り。

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【日記】「ヒマラヤの雪男」の歴史を辿る同人誌を作った感想+正誤表

 あけましておめでとうございます。

 今年はじめての更新となるので、このあいさつも間違いではないはずです。

 もはや空からは新雪ではなく、じめじめとした雨が降り続く季節になってしまいました。なぜ今になるまで当ブログを放置していたかと申しますと、前回の記事で述べたことを実行していたからです。

 つまり、私自身が某所にて行った「未確認動物の新聞報道史」という発表を、同人誌としてまとめる作業を行っていました。

 その同人誌の名は、『新聞記事で見る未確認動物の歴史Ⅰ【雪男編】』

新聞記事で見る未確認動物の歴史Ⅰ【雪男編】 ※BOOTHへリンクします

 

【雪男編】とある通り、私の発表の中で「ヒマラヤの雪男」に関する部分のみを、一冊の同人誌としてまとめたものになります。

 当初は発表全体の内容を一冊にまとめるつもりでしたが、書いているうちに「アッこれ永久に終わらんわ」と悟ったため、分冊して作ることにしました。ネッシーについては次回取り上げるので、「サルのUMAとか興味ねぇよ! ネッシーを出せ!」という方々にはもうしばらく(数年くらい?)お待ちいただければと思います。

 さて、本書の出来栄えとしては、自分で想像していた以上にちゃんとした「書籍」として仕上がりまして、感激いたしました。印刷所のSTARBOOKSさんに感謝を申し上げます。

 一方で、お読み頂いた方から既に複数の誤字・脱字の報告を受けています。もちろん印刷所へ入稿データを送る前に、自分で校正チェックはやっていたのですが、話に聞いていた通り誤字・脱字の潜伏力はゴキブリ並みですね。

 以下に、現在把握している修正箇所を正誤表として載せておきます。これ以外にも誤字・脱字がまだ存在するかもしれないので、気付いた方は是非ご報告頂ければ嬉しいです。

『新聞記事で見る未確認動物の歴史Ⅰ【雪男編】』正誤表

  • p47下段18行目‐p48上段1行目
    雪上を直線に続く発見し、写真に収めたのである。
    →雪上を直線に続く足跡を発見し、写真に収めたのである。
  • p76上段16行目
    パンジャキリ
    ンジャキリ
  • p85下段11行目
    血に頭が逆流してきて体中が小刻みにふるえ始めた。
    血が頭に逆流してきて体中が小刻みにふるえ始めた。
  • p89下段13行目
    尾崎は自身がなさそうな小さな声で答えた。
    →尾崎は自信がなさそうな小さな声で答えた。

 

 さてここからは、同人誌作成に挑戦した過程での、割とどうでもいい感じの裏話をつらつらと書いていきたく思います。

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【日記】未確認動物に関する発表をやらせていただきました。

 めちゃくちゃ久々の更新になってしまいました。

 いつものサボり癖が出まくっていたというのも理由の一つですが、何よりもとある事情でブログ更新の方に時間を割けない状況になっておりました。

 具体的には、先月の25日に「異類の会」という場で未確認動物(UMA)についてのオンライン発表を行わせて頂きまして、それの準備にかなり時間を喰っておりました。そのため他の文章を書くような気力が残ってなかったです。

 その発表の題目というのが、「未確認動物の新聞報道史──雪男・ネッシーを中心に」。大まかな内容については、以下の異類の会ブログにて発表要旨が掲載されています。

irui.zoku-sei.com

 以下、細々とした裏話的なことを適当に書いてみます。(発表自体の詳しい内容には踏み込まないので、本当にただの雑感です)

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