河原に落ちていた日記帳

趣味や日々の暮らしについて、淡々と綴っていくだけのブログです。

【映画備忘録】『貞子』観てきました。

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 鈴木光司氏がホラー小説『リング』を発表したのが、1991年。

 それを原作とした同名ホラー映画(中田秀夫監督)が公開されたのが、1998年。

 それ以降、3Dになったり海外で撮られたり伽椰子と対決させられたり、紆余曲折ありながらコンスタントに新作が制作され続けているリングシリーズ。

 シリーズ最新作である今作は、映画シリーズの設定を一旦リセットし、現代を舞台に新たな呪いの物語が始まります。

 さて「貞子」こと山村貞子は、今作ではどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。

〈あらすじ〉※公式サイトより引用

その呪いは、ある投稿動画から始まった……

 心理カウンセラーの茉優のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。
 やがてその少女は、1週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江が人知れず生み育てていた子供であることが判明。
 少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始める――。
 一方、WEBマーケティング会社に勤める祐介の薦めで動画クリエイターとなった、茉優の弟・和真はアクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。
 茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていて……。

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【読書備忘録】高橋直子『オカルト番組はなぜ消えたのか』(2019)

 UFOやUMA、或は幽霊、超能力、霊能力……そんな諸々のオカルト事象を扱ったテレビ番組を見て、心躍らせた人は多いのではないでしょうか。

 私はと言うと、2008年1月~3月にかけて放送されていた「未確認思考物体」という深夜番組が一番印象に残っています。これは各種超常現象を扱ったトーク番組で、オカルトに詳しい数人のおっさんたちが、その真偽はさておきその意義や意味について駄弁っていくという素晴らしい番組でした。出演者としては高野秀行氏、山口敏太郎氏、秋山眞人氏など、「濃い」メンツばかりでした。

 さてそうしたオカルト番組が、どうも最近減っているんじゃないか? と言うのが本書のテーマです。70年代~80年代にかけて興隆したオカルト番組が、どうして現在「消えた」のか。著者の高橋氏は、宗教学の見地からその理由に迫っていきます。

〈内容紹介〉※Amazon商品紹介欄より引用
 1974年の超能力ブームに始まり、ユリ・ゲラーネッシーや雪男、80年代から90年代にかけてのノストラダムス矢追純一のUFO、心霊写真、霊能力者・宜保愛子、そして2000年代のスピリチュアル・ブーム……。

 1958年の「テレビ放送基準」以来、「迷信は肯定的に取り扱わない」と定めているにもかかわらず、なぜオカルト番組は熱狂的な支持とバッシングの渦のなか続いていたのか。

 「謎」や「ロマン」を打ち出し、視聴者が半信半疑で楽しむエンターテインメントとしてオカルト番組が隆盛を極めたことを掘り起こす。そして、スピリチュアル番組へと移行して「感動」や「奇跡」の物語へと回収されることで、オカルトの内実(真偽)が問われ、終焉へと至った歴史的なプロセスを明らかにする。

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【読書備忘録】斉藤光政『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』(2019)

戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫)

戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫)

 

東日流外三郡誌』…これを「つがるそとさんぐんし」とすぐさま読める人は、ほぼ間違いなく物好きと言っていいでしょう。

 90年代、東北地方でとある騒動が持ち上がりました。青森県のとある農家から見つかった膨大な古文書群が、全て現代人による偽作であるという疑惑が巻き起こったのです。それら膨大な古文書の総称が、『東日流外三郡誌』です。

 果たして『東日流外三郡誌』は、本当に偽作されたものなのか。だとすれば、一体誰が偽作したのか。地元から遠く離れた日本中の研究者たちをも巻き込み、激しい真偽論争が繰り広げられます。

 本書はこの騒動を中心的に取材し、『東日流外三郡誌』の真相を追求し続けた新聞記者による、息も詰まる濃密なルポルタージュです。

〈内容紹介〉Amazon商品紹介欄より引用
 すべてがインチキだ!
 「東日流外三郡誌」の真贋論争の中心にいた青年記者がその真相を暴く―
 立花隆氏、呉座勇一氏など各界著名人たちに注目された迫真のルポルタージュ!

 青森県五所川原市にある一軒の農家の屋根裏から、膨大な数の古文書が発見された。当初は新たな古代文明の存在に熱狂する地元。ところが1992年の訴訟をきっかけに、その真偽を問う一大論争が巻き起こった。この「東日流外三郡誌」を巡る戦後最大の偽書事件を、東奥日報の一人の青年記者が綿密な取材を重ね、偽書である証拠を突き付けていく―。事件後見えてきた新たな考察を加えた迫真のルポ。

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【読書備忘録】『怪異学の地平』(2018)

怪異学の地平

怪異学の地平

 

 怪異・妖怪と称される「不思議な物事」の学術的な研究と言えば、小松和彦氏による一連の「妖怪学」関連の著作や、氏の主導する国際日本文化研究センターの共同研究プロジェクトが有名です。

 しかし日文研民俗学・国文学的な枠組みでの妖怪研究を中心に推し進めるのに対し、「不思議な物事」の歴史学的な研究の必要性を主張して結成されたのが、東アジア恠異学会です。変換しにくい

 本書は東アジア恠異学会が世に送り出す、「怪異学」の最新の論文集となります。

〈内容紹介〉Amazon商品紹介欄より引用
 怪異をめぐる言葉、怪異とよばれる事象、怪異をもたらすもの―それらは何であるのか、怪異学研究の最先端を明らかにする。

 東アジア恠異学会の二〇一五年度からの三年間の研究の蓄積をまとめたもの。
 この間のテーマは、「〈他〉の認識と怪異学」。
 人々が何を「他」と認識してきたのかを考える。
 本書は、怪異学の初発からの問題意識である「怪異」という語に関する「1〈怪異〉をめぐる言葉の定着」、〈他〉の認識に係る「2〈異〉〈他〉の広がりと認識」「3〈神仏〉と〈化物〉の間」の三つで構成し、十四編の論考を収録した。いずれの論考も怪異学のこれまでの研究の蓄積をふまえ、新たな可能性を模索する内容となっている。

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【読書備忘録】2月に読んだ本ダイジェスト

 読んだ本の簡単な感想を書いてまとめてみようというムーブ。2月どころかもう3月も終わっちゃいましたが、まぁいいんだそんなことは。

 今回紹介するのは、以下の4冊です。

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【読書備忘録】𠮷田司雄編『オカルトの惑星』(2009)

オカルトの惑星―1980年代、もう一つの世界地図

オカルトの惑星―1980年代、もう一つの世界地図

 

 未確認飛行物体、未確認生物、超古代史、精神世界……

 一般に「オカルト」と呼称されるものは様々に存在しますが、いずれも「科学的に存在が証明できない」という点が共通項となります。

 そのためオカルトの科学的な研究となるとどうしても否定論へと陥りがちですが、ここで視点を変え、オカルトを一種の「思想」または「文化」として捉えたとき、一体どういった現代史が見えてくるのか。

 本書はオカルトに関する様々なトピックを取り上げ、時代とオカルトがどのように関わり合いながら展開していったのかを分析した論考集です。

〈内容紹介〉Amazon商品紹介欄より引用
 UFO、宇宙人、ネッシー、秘境、ニューエイジ、超古代史論争、土偶=宇宙人説…。80年代、圧倒的な経済成長を背景にオカルトはテレビや雑誌などのメディアに取り上げられ、人々の心を引き付けていた。それらブームを具体的に取り上げながら、怪異現象の魅力を存分に描く。

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【読書備忘録】小松和彦『妖怪学新考』(1994)

 現在の妖怪学の理論的な枠組みを確立した研究者である、小松和彦氏。

 本書はその「小松妖怪学」のエッセンスが詰め込まれた研究書になります。

 何故か今まで読んでいなかったので、今回は講談社文庫版をじっくりと読んでみました。

〈内容紹介〉Amazon商品紹介欄より引用
 日本人にとって、妖怪とはなにか。科学的思考を生活の基盤とし、暗闇すら消え去った世界においてなお、私たちはなぜ異界を想像せずにはいられないのだろうか。「妖怪」とは精神の要請なのか、それとも迷信にすぎないのか――。古代から現代にいたるまで妖怪という存在を生みだし続ける日本人の精神構造を探り、「向こう側」に託された、人間の闇の領域を問いなおす。妖怪研究の第一人者による、刺激的かつ最高の妖怪学入門。

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