河原に落ちていた日記帳

趣味や日々の暮らしについて、淡々と綴っていくだけのブログです。

【読書備忘録】2月に読んだ本ダイジェスト

 読んだ本の簡単な感想を書いてまとめてみようというムーブ。2月どころかもう3月も終わっちゃいましたが、まぁいいんだそんなことは。

 今回紹介するのは、以下の4冊です。

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【読書備忘録】𠮷田司雄編『オカルトの惑星』(2009)

オカルトの惑星―1980年代、もう一つの世界地図

オカルトの惑星―1980年代、もう一つの世界地図

 

 未確認飛行物体、未確認生物、超古代史、精神世界……

 一般に「オカルト」と呼称されるものは様々に存在しますが、いずれも「科学的に存在が証明できない」という点が共通項となります。

 そのためオカルトの科学的な研究となるとどうしても否定論へと陥りがちですが、ここで視点を変え、オカルトを一種の「思想」または「文化」として捉えたとき、一体どういった現代史が見えてくるのか。

 本書はオカルトに関する様々なトピックを取り上げ、時代とオカルトがどのように関わり合いながら展開していったのかを分析した論考集です。

〈内容紹介〉Amazon商品紹介欄より引用
 UFO、宇宙人、ネッシー、秘境、ニューエイジ、超古代史論争、土偶=宇宙人説…。80年代、圧倒的な経済成長を背景にオカルトはテレビや雑誌などのメディアに取り上げられ、人々の心を引き付けていた。それらブームを具体的に取り上げながら、怪異現象の魅力を存分に描く。

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【読書備忘録】小松和彦『妖怪学新考』(1994)

 現在の妖怪学の理論的な枠組みを確立した研究者である、小松和彦氏。

 本書はその「小松妖怪学」のエッセンスが詰め込まれた研究書になります。

 何故か今まで読んでいなかったので、今回は講談社文庫版をじっくりと読んでみました。

〈内容紹介〉Amazon商品紹介欄より引用
 日本人にとって、妖怪とはなにか。科学的思考を生活の基盤とし、暗闇すら消え去った世界においてなお、私たちはなぜ異界を想像せずにはいられないのだろうか。「妖怪」とは精神の要請なのか、それとも迷信にすぎないのか――。古代から現代にいたるまで妖怪という存在を生みだし続ける日本人の精神構造を探り、「向こう側」に託された、人間の闇の領域を問いなおす。妖怪研究の第一人者による、刺激的かつ最高の妖怪学入門。

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【読書備忘録】1月に読んだ本ダイジェスト

 いつもは一冊の本のみを紹介する記事を書いているのですが、読んだ本をごく簡単にまとめて紹介してみるのも良いだろうと思ったので、試みに書いてみることにしました。

 本稿で紹介する本は、以下の通り。

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【読書備忘録】小野不由美『鬼談百景』(2012)

鬼談百景 (角川文庫)

鬼談百景 (角川文庫)

 

 普段は学術的なお固い本についてばかり書いているので、たまには小説作品についてでも。

 十二国記シリーズをはじめ、『屍鬼』や『黒祠の島』などホラー小説でも知られる小野不由美氏による、百物語小説です。

〈あらすじ〉※Amazonの商品紹介欄より引用
 学校に建つ男女の生徒を象った銅像。その切り落とされた指先が指し示す先は…(「未来へ」)。真夜中の旧校舎の階段は“増える”。子どもたちはそれを確かめるために集合し…(「増える階段」)。まだあどけない娘は時折食い入るように、何もない宙を見つめ、にっこり笑って「ぶらんこ」と指差す(「お気に入り」)。読むほどに恐怖がいや増す―虚実相なかばする怪談文芸の頂点を極めた傑作!初めての百物語怪談本。

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【読書備忘録】『改訂新版 新書アフリカ史』(2018)

 人は、身近にあるもの以外にはあまり興味が持てないもの。日本の歴史だって、興味が無くほとんど知らないという人はたくさんいます。私にもその気味があります。

 ましてアフリカの歴史なぞ、日本人でしっかり把握しているという人は希少でしょう。物理的にも心理的にも、日本から遠く離れすぎています。

 無論、国際問題の一つとしてアフリカの情勢に関心を払っている人は少なくありません。しかし日本でのアフリカのイメージとは、「未開」「貧困」など負の印象で語られることが多いのも確かです。

 しかしメディアで反復されるそのイメージは、アフリカの実情のある一面を取り出して強調したものに過ぎないのではないか。本書は古代から現代に至るアフリカの歴史を通して、近代以降の侵略と抵抗の歩みも含め、アフリカの意外な「豊かさ」やそこに住む人々の逞しさを描き出しています。

〈内容紹介〉講談社公式HPより引用

【アフリカ入門書の決定版が20年の月日を経て大改訂!】

 人類誕生から混沌の現代へ、壮大なスケールで描く民族と文明の興亡。新たなアフリカ像を提示し、世界史の読み直しを迫る必読の歴史書

 変化の激しいアフリカ現代史を新たに書き加え、従来の記述も新しい知見や主張に基づいて内容を大幅に見直した改訂新版。

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【読書備忘録】礫川全次『サンカと説教強盗』(1992)

サンカと説教強盗---闇と漂泊の民俗史 (河出文庫)

サンカと説教強盗---闇と漂泊の民俗史 (河出文庫)

 

 在野の立場で「歴史民俗学研究会」を立ち上げ、数々の異端的な学問の一端を紹介し続けている礫川全次氏。

 つい最近は『独学で歴史家になる方法』なる、そこら辺のビジネス書にありそうな胡散臭い題名の本を出版した礫川氏ですが、初期の氏による関心の対象の一つが「サンカ」でした。

 以前に氏の『サンカ学入門』を読んだことがあるのですが、本書は礫川氏による最初期の著作であり、同時に2000年代の「サンカ」研究ブームの奔りとなった本でもあります。

〈内容紹介〉批評社公式HPより引用
 大正末期から昭和初期にかけて「帝都」を震憾させた説教強盗。背後に見え隠れするサンカ。事件の全貌を克明に跡づけ、実像と虚像が同居し、原像までが交錯するサンカ(山窩)を三角寛のサンカ論を批判しつつ解明する。

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