【映画備忘録】『MEG ザ・モンスター』観てきました。
全世界(のサメ映画ファン)が待っていた、ジェイソン・ステイサムがメガロドンとガチバトルを繰り広げるモンスターパニック映画です。
かく言う私も、情報が公開されてから観たくて観たくてたまりませんでしたよ。
そして今日、満を持して観に行ったわけなんですが、予想に違わぬ出来で大満足でした。
〈あらすじ〉※公式サイトより引用
大陸から200キロ離れた海洋研究施設から、潜水した探査船が未知の海溝を発見。しかし、喜びもつかの間、船は未知の海域で消息を絶った。潜水レスキューのプロ、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は、救助に向かった先で、生物学の常識を超えた“モンスター”=MEGと遭遇。しかし、その恐怖は単なる始まりに過ぎなかった。
船を破壊し、研究施設を壊滅させたMEGは、陽光まばゆいビーチをも恐怖に陥れようとしている。ジョナス率いる海洋エキスパート・チームは、この危機をどう乗り切るのか?人類は、果たしてこの脅威から逃げ切ることができるのか⁉
まぁネタバレをしてしまうと、ステイサムが勝つんですけどね。知ってた。
本来こういった公開直後の映画は極力ネタバレを避けるべきなんでしょうが、何せ本作に関してはネタバレされて困る要素が一切ない。以下のような、非常に単純ストーリー構成なのです。
古代に絶滅したはずのメガロドンが、深海から現れて海洋研究所やビーチを襲いまくる
↓
ステイサムおじさんが出てきてメガロドンとガチバトル
↓
ステイサムが勝つ
これ以上、何を説明することがあるのか。*1
サメ映画ファンの方なら分かると思うのですが、本作のストーリー自体は全く目新しいものではありません。過去のB級サメ映画で手垢が付きまくったストーリー展開ですが、これを潤沢な予算で気合を入れまくって作ったところが本作の最も大きな強みでしょう。
何しろ1975年の『ジョーズ』以降に粗製乱造されたサメ映画は、ごく一部の佳作*2を除くとどれもこれも無惨なものばかり。最近は『ロスト・バケーション』(2016)や『海底47m』(2017)など、見応えのある良作も増えてきてはいますが、粗製乱造ぶりは相変わらずです。
そんな空襲跡のような凄惨すぎる出来のサメ映画を観すぎた私の目には、本作のテンポの良い展開や大迫力のCGで涙が潤むほどに感動致しました。*3
しかも、本作にはもれなくステイサムが付いてくるのですから、これで面白くないわけがないでしょう。「流石に、サメとの肉弾戦は無いだろうなぁ」と最初は予想していたのですが、なんと最後にきっちりやってくれるので、もう言うことなしです。
あとステイサムおじさんは、その無敵っぷりだけがどうしても強調されがちですが、演技もすごく魅力的ですよね。笑顔が可愛いおじさんは素敵です。
また本作の良い所は、パニック映画にありがちな観ていてストレスを感じるほどにウザいキャラクターがほとんど居ない、ということも挙げられます。一応、一人だけ居るには居るのですが、その一人の屑に観客のヘイトを集中させ、そしてきっちりサメの報復を受けてもらうことで、観ていて非常にスカッとした気分になれます。
そんな訳で本作『MEG ザ・モンスター』は、血沸き肉躍るサメ映画を観たい方にクリーンヒットする傑作サメ映画です。
ん?「設定が滅茶苦茶でリアリティを感じない」? サメ映画に何を求めているんだ愚か者。
細かいことはどうでもいい。巨大ザメとステイサムのガチバトルが観れるというだけで、今の時代に生を授けて下さった神に感謝すべきなのです。*4
鳥類学者の川上和人氏も一押し*5の本作、観に行かれる方は是非とも、脳内をすっからかんにして楽しんで下さい。
*1:いや、ない。
*2:『ディープ・ブルー』(1999)や『パニック・マーケット』(2012)辺りが有名でしょうか。トンデモB級方面でも、『シャークネード』シリーズはけっこう頑張ってますね。
*3:ネット上のレビューを見ていると、「CGのレベルが微妙」という評価をちらほら目にしますが、そんな方には是非ともアサイラム製のガバガバCGで動くサメたちの雄姿を大量に見て頂きたいです。サメ映画はあくまでも相対的に評価すべきです。
*4:都合の良いときだけ神様に感謝するのが私の常套手段です。
*5:こちらのインタビュー記事より。川上先生「あと、トップクラスのアクション俳優のジェイソン・ステイサムが主役のサメ映画『MEG ザ・モンスター』が9月に公開されるんですよ。まさかサメ映画に出るとは、みたいな。サメ映画って基本B級なんですよ。日本ではまず映画館では公開はされず、動画配信とか、レンタルビデオ屋とか、テレビ東京の午後のロードショーだけでやっている。そんなサメ映画でありながら、名のある役者さんが主役の、ちゃんとした大作として映画館公開されるというので、すっごく僕は期待しているんです。」